福祉施設に勤務し、50件以上の幼稚園・保育園等を見学してきた経験から、
保育園・幼稚園選びで特に重要なチェックポイントをご紹介します。
入園前に必ず確認しておきたい項目を、実例を交えて詳しく解説していきます。
保育園・幼稚園共通でチェックすること6選!
1. 先生と園児の人数比率をチェック
法律では何人に対して先生が何人必要と細かく決まっています。基準を割ることは絶対にないのですが、人数に対して余剰人員があるかは確認しましょう。人の多さは心の余裕を生みます。
- 幼稚園:1クラス35人以下に教員1人(学校教育法による)
- 保育園:
- 0歳児:園児3人に対し保育士1人
- 1・2歳児:園児5人に対し保育士1人(2025年改正)
- 3歳児:園児20人に対し保育士1人
- 4・5歳児:園児25人に対し保育士1人(2024年改正)
実際の運営では、担任の先生に加えて補助の先生が配置されているケースが多いです。
見学時には、現在の園児数と職員数(非常勤含む)、担任と補助の先生の配置状況を確認しましょう。
通常、玄関付近に先生方の顔写真付き紹介が掲示されていることが多いですが
最近では先生の個人情報もあるのでない場合も。
必須ワード
「子どもは現在何人ずついますか?」
2. 追加費用の確認
以下の項目について、金額と支払方法を必ず確認しましょう。
- 延長保育料(保育園)
- 預かり保育料(幼稚園)
- 給食費・夜食代
- 保護者会費
- 制服・教材などの入園・進級時の購入品
- 送迎バス料金(幼稚園)
- 特別プログラム受講料
支払い方法も現金や銀行振り込み・引き落としなどがあります。
ちなみに自治体から引き落とされる保育料とは別で口座登録が必要です。
保育料は自治体に納めますが上記は保育園へ直接支払います。
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3. 保護者参加行事の頻度と内容
園によって保護者の参加頻度は大きく異なります。
保育園だと土曜日に設定されていることが多く、保護者が参加する行事も少なめです。
運動会や遠足などもほとんど先生方がすべて準備してくださいます。
一方、
幼稚園は平日に開催されることが多く、前後の準備に保護者が参加する場面が多くありました。
保育園:年3回程度(保育参観、運動会、発表会)+ 個人面談(年2回)
幼稚園:1~2月に1回程度のイベントや保護者会活動・ボランティアあり
仕事との両立を考える上で保護者参加の回数頻度は重要な確認ポイントとなります。
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参加率はどれくらいですか?
4. 医療体制の確認
お子さんに医療的なことが関係なくても専門職がいることは長い園生活の安心につながります。
- 看護師の常駐状況(常勤・非常勤)
- 発熱対応(保護者に電話するタイミング、発熱後の登園基準)
- アレルギー対応の詳細
- 投薬管理の可否
- 緊急時の対応方針
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園に薬を置いておくことができますか(エピペンやダイアップ等実際に使用している場合)
37.5℃以上は発熱とする場合が多いです。先生と相談のうえ、37.5℃を超えた場合は実測で2回30分おきに計測しお迎え基準としてもらいました。ちなみに誓約書?覚書?も書いたし、緊急時は救急車を呼びどこの病院に搬送してもらうかなども予め取り決めました。
5. 入園後に必要な準備物
- 手作りが必要な持ち物の有無(いまだにすべて手作り…を求める園もある)
- 指定サイズや材質の制限
- 購入必要品のリストと購入時期(これは入園してからじゃないと教えてくれないことが多い)
- 準備に要する期間の目安(季節によって急に持ち物が必要になることも。水着などは確認しよう)
入園が決まってからの準備は意外と大変です。見学時に確認しておくことで、スムーズな入園準備が可能になります。
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皆さんどうされていますか?
6.小学校との交流
小学校ではひらがなすうじけいさんを習いますが、最近は先取学習が流行っています。
自分の名前くらいは練習する機会があるかもしれませんが、50音のひらがなカタカナを書くなどの就学準備を園がどれくらい行うのかは確認しておくとよいでしょう。
これは保護者の方の判断によりますが、先取学習をしなくてもいいと思う方と、少しくらいはできたほうが、と思う方がいるので、先取学習派の方は確認しましょう。
また、保育園の場合は午睡はいつからしなくなるのかについても確認必須です。小学校ではお昼寝の時間はないので体をなれさせる必要があります。
通園している園が家の近くの場合は、園の学区内の小学校情報を聞いてみましょう。
小学校との交流があるのか、就学へ向けてどんなことをしているのかを確認してください。
もし学区外や市外の園に通っていたとしても、小学校のイメージを付けるだけでもこの先の安心につながります。
交流を行っていない場合でも、例えば近隣小学校の校庭を使って園の運動会を開催しているとか、
少しでも小学校に関する情報があるといいですね。
通っている子が過去3年間でどの小学校に進む子が多いかも確認しておくといいですね。
私が幼稚園児だった30年前は同じ幼稚園から同じ小学校に通う子は4人しかいなかったので、
小学校に入ってすぐはなかなか友達を作れなかったです。次第に友達ができますが、周りの子は持ち上がりなのに私は全然・・・と寂しかった記憶が思い出されます。
もちろん、学区外じゃないと入れない幼稚園保育園事情もあると思いますので参考程度に。
番外編①見学の際の電話の様子
保育園見学の際、アポを取るかと思います。実は電話がお勧めです。電話って相手がいてこそめんどくさいし恥ずかしいと思うかもしれませんが、電話の第一印象って意外に侮れません。
ホームページで素敵に思って電話をかけてみると意外に職員の対応が合わないなぁと感じると実際行ってみても合わないなぁと思うことが。これは保育所に限らずどの施設見学でもあたります。
職員がバタバタしていると結構ぎりぎり出回っているなという印象を持ちますし、実際手は足りていなかったり…。やや言葉遣いが気になると保育中にも気になったり。子どもはことばもすぐおぼえてきますからね。
もちろん実際に見学行ってから(職員さんがこちらを見てあいさつするかどうか等も)見極めることが必要ですが、電話の第一印象は覚えておくとよいでしょう。
保育園見学でチェックすること3選!
1.サブスク(おむつ・おしりふき・エプロン)
最近ではおむつやおしりふき、エプロンなどのサブスクも増えてきました。
月額4000円程度(私が見学した園は)でおむつ・おしりふきが使い放題。
おむつのスタンプも必要ないし、おしりふきも不要。不足したらもっていかなくていいので非常にらくらくサービスです。導入していない園のほうがまだまだ多いと思いますが、(私が見学した中では10園中3園しかやっていなかった)あると便利なサービスです。
サブスクがある場合もパンフレットなどに書いてある場合もありますし、
来年度から行う予定です、などの情報を入手できることも。
ただしサブスクの場合はおむつの種類が選べない場合が多いので、おむつとおしりふきの確認もしましょう。
また、おむつの持ち帰りがないかについても念のため確認しましょう。
※おむつの持ち帰りについては2023年に「園処分を推奨する」と厚生労働省から自治体へ通達が出ています。
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(ある場合)おむつやおしりふきの種類はなんですか?選べますか?
(ない場合)導入予定はありますか?
2.保護者が仕事休みの場合の対応
園によって本当に対応がバラバラです。
「保護者が休みならお子さんも休ませてください。」とはっきり言われる場合もありますし、
「早めに迎えに来てくれればいいですよ」と言ってくれる場合も。
我が家が通った保育園は原則保護者休みの場合は子どももお休みだったのですが、役所や銀行、美容院等で子どもを連れていけなくて必要な場合は預け(もちろん先生に休みの旨伝える)早い時間のお迎えであれば月1,2回ならお預けOKでした。
0.1歳はお預けNGですが、年齢が上がれば保護者が休みでも預けてOKになる場合が多い印象です。年齢が上がると集団活動・社会活動に参加することも重要になってくるのとイベントなどの練習で毎日できる限りきてください、と言われることも。
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3.土曜保育の人数
土曜出勤もある方は土曜保育の人数を確認しておくとよいでしょう。
仕事休みで子どもを土曜日に預ける、ということはほとんどの園ができないと思います。基本的に土曜日は平日の保育と比べて特別保育扱いされるので、勤務されている方が対象となります。
土曜保育は子どもも先生も人数が少ないので、「毎週土曜日自分の子どもしかいない」となる場合も。土曜保育の人数は確認しておきましょう。
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4.加配状況
もしかしたらお子さんの発達に不安がある保護者さんがいるかもしれません。そんな時、確認しておくとよい項目があります。
加配の有無、連携の経験です。
子どもの成長と発達によって加配(※かはい と読みます。)、何らかの理由があり園内でのサポートをしてくれる担任・副担任以外の先生が必要となる場合があります。
園でこれまでに加配の経験や加配が必要となった時の受け入れ可否、関係機関や施設との連携の経験があるか(すごく重要)また現状で受け入れているか(ここは個人情報になるので多分聞けませんがもし情報が拾えれば)を確認するといいでしょう。
「役所や病院の先生と連絡しています」は意外に普通の返答です。
適宜調整しています。もどっちかわかりませんよね。
例えば、児童発達支援施設と連携経験があると情報がもらえれば、そのような状況に保守的かどうかもわかりますし、一度経験があればイメージもつきやすいので、もし、お子さんの発達に不安があるという方は伺ってみてもいいかもしれません。
ただ、これを聞くと、「何かご不安なことがありますか?」と聞かれる可能性が高いので、
現状で子どもの発達にあきらかに不安がないよ!という方は聞かなくていいと思います。
先生も身構えてしまって先入観が生まれやすいですので。
ちなみに!福祉専門職の私がこれを聞くときは(毎回は聞かないです)
①職員の配置が増やせるかどうか(=人を雇い入れる経営パワーがある、人的補充で保育士が疲弊しない)
②障害に偏見がない(やっぱりまだまだこの世界でも偏見は多い…)
を主に確認しています。ついつい気になっちゃう職業柄。
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「職員の人数多いですね~。加配とかもあるんですか?」と聞いてしまいます。
ないと言われたら「あ、そうなんですね~最近ニュースとかでよく聞くので~」と言っておきましょう。
幼稚園見学でチェックすること4選!
1.寄付やバザーなどの有無
法人によっては幼稚園で購入するもの・用意するもの以外に、寄付やバザーなどを求められることがありました。
寄付も好きなものを持ってきてね、というよりは、「ティッシュBOXとぞうきんを〇個ずつ(以上)お願いします。」というようなモノと個数指定の寄付です。
園の工作で使う空き箱やトイレットペーパーの芯などを持っていくこともあります。(これは幼稚園でも保育園でも持っていきました)
私も一度見学に行ったときに。入学時には寄付を強請される(必ず持ってきてください)ということがわかり、びっくりした記憶があります。社会福祉の世界だと、寄付=自分の善意で行うもの、のイメージなので強制されるとなると抵抗があります。
寄付というより持ち物では、と思うのですが、持ち物は自分のものなのでみんなで使うものということでは寄付という言葉になるのだと思います。
日本語って難しいね!
また、ママ友の幼稚園では定期的に保護者主体のバザーなどがあり、自宅から売れるものを幾つか”寄付”という形でもっていき、その売買金は園活動へ、ということもあるそうです。
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2.お弁当に入れていいものの確認
お弁当や給食の有無については園から案内があると思います。
頻度や金額などもパンフレットやホームページに載っていることがあると思うので、
内容を確認すればよいと思います。
もし、自宅で作ったお弁当を持参するような場合は、入れてはいけないものを確認しましょう。
息子が通った園ではフルーツすべてが持ち込み禁止だったため、
偏食の子がいると大変かもしれません。
もしお子さんに好き嫌いがあるという場合は、お弁当に入れていいもの、ダメなものは確認しておいた方がよさそうです。
時々、冷凍食品はダメ!という園もあるとか…。
先生も「みんなが食べているからお弁当に入れると食べますよ」と言ってくださるのですが、
「食べてくれないときもあります」し、毎日バランスよく食べてもらうために苦手なものを入れるのもかわいそうな気がしますよね。4時間とはいえ活動しているので好きなものを食べてもらいたい気持ちも。
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お弁当の中身で指定はありますか?フルーツや冷凍食品は使ってもいいですか?
3.長期休暇や園都合の休みの確認
幼稚園は学校扱いなので、春夏冬の長期休暇があります!
完全にお休みとなるのか、預かり保育として預かってくれるのかについては必ず確認しましょう。
また、その場合のお弁当/給食の有無も合わせて確認してください。
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4.担任の先生とのアポや連絡の取り方
子どもを預けている間は担任の先生とアポを取ることは難しいですが、
何か聞きたいことがあった場合に先生に様子を聞くために連絡する場合があります。
その際の決まりがあるかどうかは確認しましょう。
保育園は親が送迎しますが、幼稚園はバス登園の場合もあり、そうなると担任直接会うことが回数的に少ないです。
また、直接登園の場合も一斉にお迎えとなるため長くお話しすることができません。そのため、どのタイミングでなら先生とお話できるのか、お手紙やお電話、アプリなのか確認したほうが良いです。
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まとめ
いかがだったでしょうか。
幼稚園保育園見学のポイントを厳選しました。本当はほかにも確認してほしいことや聞いてほしいこともありますが、見学を受ける側の先生も説明馴れしているので、大体のことはお話してくれると思います。
園の見学で少しでも入園した時の「聞いていなかった」「こんなはずじゃなかった!」が減るといいなと思います。
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